平成26年度 名古屋管制交流会まとめ

 平成14年度以降途絶えていた名古屋空港管制交流会が、操縦士協会中部支部の主催で久しぶりに開催されました。以下、その模様をとりまとめます。

日 時: 平成26年8月29日 1400−1600
場 所: 豊山町社会教育センター
主 催: 操縦士協会中部支部
参加者: 小牧管制隊: 管制隊長 尾内1尉 以下11名
操 縦 者: 操縦士協会奥本中部支部長 以下13名

  

「次第」
1、開会挨拶 操縦士協会中部支部支部長 奥本進介
小牧管制隊長 1尉 尾内盛孝 (写真上右)
2、JAPA概要説明 奥本進介
3、管制隊概況説明 古賀庸修(管制運用係長)
4、自己紹介 操縦士側、管制官側(全員)
5、議事 今回は特にテーマを設けず自由な意見交換の場とした。
以下に主な質疑応答の内容を抜粋して示す。

Q(操縦者)

管制官として名古屋でのヒヤリハットの経験はあるか?
Ans
(1) 訓練時間とエリアが決まっていて、概ね一定の方向及び時間にVFR機は進入してくる自衛隊とは異なり、名古屋では、いろいろな方向からVFR機が進入してくるので識別が大変である。
TCAから移管の場合でもすでにSQK1200にしているのであらためて識別しなおすことになる。
(2)離陸後の旋回方向を確実にしてほしい。許可を出した方向とは逆の方向に旋回したVFR機があった。(例:左旋回の許可に対し、通報なく右旋回した)

Q(操縦者)

操縦者からのリクエストで、これはやめてほしいというものあるか?
Ans
あまりないが、RWY16の際に反方位からILS_進入を要求された場合は少々大変である。
早めのブレイクトラフィックをお願いする場合がある。

Q(操縦者)

戦闘機の360°直上進入について知らない操縦者もおり、BASEやFinalで突然上空の機影を発見すると驚くことがある。これに関するトラフィック情報も発出してもらえるか?
Ans
基本的に後続機(戦闘機)の情報は発出しないが、状況に応じて流すようにする

Q(操縦者)

ヘリの訓練で360度または180度オートローテンションは実施できるか?
Ans
内容を教えてくれれば、他のトラフィックの状況を見つつ許可を出すので実施は可能

Q(操縦者)

オプションアプローチの要求に対し、許可にUNABL STOP & GOが付く場合があるがなぜか
Ans
規定としてはオプションアプローチの許可にはSTOP & GOの許可を含んでいると考えているが、後続機が近い場合はランウェイの占有時間を考えなければならない。そのため航空交通がスムーズに流れるようUNABL STOP & GOを追加することで対応している場合がある。

Q(操縦者)

ヘリで全電源アウトの場合、管制圏への進入はどうしたらよいか
Ans
固定翼機の場合は三角飛行を行ってもらえれば識別できる。
ヘリの場合は、空き地などへの予防着陸の実施をお願いしたい。

Q(操縦者)

小型機、ダウンウィンドでのHOLD指示の際、ミドル・ダウンウインドではなく、ベースに近い地点でのHOLDを指示されたが、接地点が見えにくくなり困難であった。どちらかといえばアップウインドに近い側でのHOLDは許容されないのか?
Ans
アップウィンド側は出発機との経路が近くなるリスクがあるので好ましくない。

Q(操縦者)

ヘリの夜間遊覧飛行で、名駅上空から空港へ帰る際直行を指示されるが、多少迂回してもよいか?
場合によって、やや飛行時間を延ばしたほうが良いこともある
Ans
できるだけ短時間で帰ったほうが良いと考えていたが、違う場合があることは了解した。
そのような場合は、パイロットインテンションを示してください。

Q(管制官)

名古屋から岐阜管制圏の通過は地上滑走時に早めに通報していただければ調整可能である。

Q(管制官)

管制官の訓練生がこれから多数ボイスを出すのでご協力をお願いしたい。
また、GCAにも訓練生が入ることがあるのでご協力お願いしたい。


  

閉会後、場所を名古屋市内に移し、約30名が参加して親睦会が開催されました。 昼間の交流会とはまた違った雰囲気で本音で意見を出し合い、管制―パイロット双方の理解がより深まったように思いました。

文責:操縦士協会中部支部